精密な雄ネジとナットの組み付け精度は、部品間の摩擦によって悪影響を受ける。摩擦を取り除くために、雄ネジとナットの直接接触から、電磁場を介した相互作用で置き換えることが提案された(図1)。巻線1と2の電流は,2つの巻線コイルが 互いにそろったときに最大となるような電磁場を作り出す。雄ネジの回転により磁束の歪みが生じ、これによりコイルを元の位置に戻す力が発生し、ナットを高精度に動かすことができる。(参考文献:実際の設計研究会編「TRIZ入門」日刊工業新聞社)


図 1.電磁カップリングを用いたネジ

【思考演算の説明】
 機構を考えるとき“システム内の非機械的変更”が有効である。すなわち、「機械的システムを光学的、音響的、嗅覚的システムに変更する」「機械的システム内で、電気、磁気および(または)電磁気を使用する」「磁場および(または)電磁場を強磁性物質とともに使用する」などの方法である。