生産プロセスを決めていく時は、機能の時間分割をよく用いる。ある決められた時間内にAとBの機能が実行できない場合、Bの機能を行うプロセスで事前に準備できるものがあるかまず考える(“段取り”しておくと言う)。好例としてよく持ち出される例が、プレスや射出成形の金型交換である。図の(a)は、事前に段取りしない場合であるが、図(b)に示すように、交換前の上型と下型を合わせてそのペアを外し、予め組んでおいた交換後の上型と下型のペアと交換することで、生産ラインの中断時間を短くすることができる。
 (参考文献:中尾政之、畑村洋太郎、服部和隆「設計のナレッジマネジメント」日刊工業新聞社)


図 プレスの段取り時間を短くする

【思考演算の説明】
 段取りまで含めて使用プロセスを仮想演習して、その時間軸を頭の中に入れて設計していないと、評価の時に高い“つけ”を支払うことになる。また、段取りを生産ラインの外で行うので、“外段取り”とも言う。