試作車のサスペンション部品がテスト走行中に破損した。破損品の材質は、ねずみ鋳鉄であった。衝撃負荷や引張応力が作用する場合は、高い靭性を持つ球状黒鉛鋳鉄を選択すべきであった。図に組織の比較を示すが、黒鉛が球状となることで、強靭性をもたらしている。表は機械的性質の比較である。(参考文献:加山著「鋳鉄のはなし」日本規格協会)


図 ねずみ鋳鉄と球状黒鉛鋳鉄の組織の比較


表 ねずみ鋳鉄と球状黒鉛鋳鉄の機械的性質の比較