カメラのレンズユニットでは、図のように、ピント調整やズームのため、鏡胴を摺動させる。摺動面に湿式の潤滑剤を使用すると、負荷に大きく影響する。特に、低温では粘度が高いため、負荷が大きくなり動かなくなる。この場合、乾式の潤滑剤を用いる。表は、乾式潤滑剤の特性例である。なお、ここでは潤滑剤の光軸付近への回りこみを避けるために、オイルバリアを設けた。


図 カメラレンズユニット


表 乾式潤滑剤の特性

【設計のアドバイス】
 低負荷の摺動部には、乾式の潤滑剤をハケなどで塗布する。機械内部の別の部位に、湿式の潤滑剤(油、グリスなど)を使う場合、低負荷摺動部への油の流れ込みを防ぐために、もうひとつ別のオイルバリアを設ける。特に、高温で油の粘度が低くなり、流れ易くなる。