半導体メーカの歩留まり向上として、LSIのチップを小形化(Shrink品という)した。ところが装置検査で、90台中11台が不良となった。調査の結果、命令、アドレス、データの特定の組合せで、LSIが誤動作することが判った。特に低温で高電圧側に発生する。原因はLSIチップの小形化により内部速度が向上し、図のように、従来のLSIに比べてノイズが増加したためである。


図 MOS回路のスイッチ動作によるノイズ

 チップの小形化で内部のMOSトランジスタのスイッチ時間も速くなる。MOS回路のスイッチ動作で、出力回路から配線容量Cline+回路入力容量Cinを充放電する電流のピーク値(di/dt値)が大きくなり、電源およびGNDのノイズが大きくなる。

【設計のアドバイス】
 部品変更時は、装置環境による動作確認が不可欠である。