図のようなLSIテスト装置で、LSIの電圧/電流測定を行った。ところがDC測定レンジ切替え後の最初の測定誤差が大きかった。この回路は、図のようにノイズ対策として、DC測定回路内にCR回路が、被測定電圧入力端子とA/Dコンバータとの間に配置されていた。しかしこのコンデンサの容量の公差が-20〜+80%と大きかったため、時定数のバラツキが大きくなり、さらにコンデンサの分極効果で過渡応答時の時定数が徐々に大きくなった。したがってDC測定レンジ切替え直後には、測定誤差を含んだ電圧をA/D変換するため、測定結果の誤差が大きくなった。なお分極効果とは、外部から加えている電圧と逆方向に起電力を発生して、電流を流れにくくする現象である。


図 LSIテスト装置によるDC測定回路

【設計のアドバイス】
 時定数回路を構成する部品の選定には、公差や特性を考慮する。