図のような、電源系の異なるパッケージ(PK)のインターフェイスにおいて、電源Bを投入後、電源Aを投入したところ、PLL(Phase Locked Loop回路)回路が暴走した。電源Bの投入で、差動回路の背反入力が同一レベルとなり、出力にホワイトノイズ(周波数が一定しないノイズ)を出した。このノイズにPLL回路が応答し、VCO(入力電圧に比例して出力の周波数が変化する発振回路)の上限周波数で発振を起こし、フィードバックの応答周波数を越えたため、電源Aが投入されても規定周波数に戻らず暴走したままとなった。なおPLL回路とは、出力の位相と周波数が一致するように、自動的に制御する回路である。


図 PLL回路の暴走

 電源B投入後に電源A 投入という順序で操作すると、PLL回路が暴走した。

【設計のアドバイス】
 差動回路は2つの入力間が背反になった後でアクティブにする。すなわち、一般に直列になった回路では、前段の電源を先に投入し、前段の出力が整定した後に、後段の電源を投入する。