高湿度の環境で機器を使用していたところ、内部のゴムローラに斑点上のむくれが生じ、あめ状に溶け出していた。ゴムローラの材質はポリウレタンであった。ポリウレタンはポリオールという吸水性の高い物質を含み、高湿度下で加水分解したことが原因であった。参考資料:(1)W.H.Mcsheehy,他;Insulation/Circuit,September P33-36(1976)


図 ウレタンの加水分解特性

 ポリエーテルタイプのウレタンは、ポリエステルタイプに比べ加水分解しにくので、物性の低下が比較的少ない。図は、高湿度下で両タイプの硬さ変化を比較したものである。


表 ゴムパッキン材料の耐水性

 表は各種ゴムパッキン材料の耐水性試験結果で、ポリウレタンは溶解している。電気絶縁やパッキングの機能のために、ポリウレタンを高湿度環境下で使用することはできない。