時計の日回し調整のため瞬間日送りを行ったところ、図に示すように、中間歯車の歯が曲がってしまった。2次試作品では発生しなかったが、3次試作品には歯厚のバラツキの下限近傍の薄い部品を使ったため、強度不足が発生した。1次試作で同様な現象が発生していたので、2次試作では材料や接触面積などを対策して、発生をおさえることができた。そこで、この部分は安心しきっていたため3次試作では確認がおろそかになっていた。結局、-0.01から+0.005mm歯厚加工公差内でも、再計算すると23%も強度が変化した。対策として、日回し中間車の歯厚を0.125mmから0.165mmに変更、計算上2.3倍の強度が得られた。また、中間車の強度アップにともない、次のトルク伝達部材である筒車体の強度が心配になったので再チェックし、この材質を1円コストアップするがヤング率が1.5倍の材料に変更した。なお、朝会で、歯形は公差内でも強度のバラツキが大きいことを徹底して教育した。