製品の信頼性試験として熱衝撃試験(-10℃〜60℃)を実施したところ、機能不良が発生した。調査の結果、図のように、プリント基板のスルーホールが断線していた。このスルーホール部はA面B面とも、はんだブリッジを防ぐために、レジストでマスクした上に全面シルクでマスクしていた。しかし、A面のマスクでは異物が排出されるように、わずかに小さな穴があいていた。ところが、基板製作最終工程の防錆処理で、過硫安液がスルーホール内に侵入してしまい、かつ穴が小さいので排出せずに残り、銅が侵食されてしまった。対策として、スルーホール部のレジストおよびシルクマスクの穴径を、積極的にスルーホール径と同等以上として、残存液が穴から排出できるようにした。


図 スルーホールの断線(断面図)

【設計のアドバイス】
 製品完成後でも、製造工程の処理液で経時的に変化し、不具合を発生することがあるので、処理液が残らない構造にする。