ロールは狭いスペースで交換するので、整備性を考慮し、図1のように、軸付きロールの下方抜き取り方式で設計製作した。運転開始したところ、ロールの回転不良が発生した。調査の結果、ベアリングインナーレースのベアリングカバー接触面が摩耗していた。回転側のベアリングカバーがインナーレースに接触しているためであった。対策として、図2のように、インナーレースと軸取付部の間にカラーを挿入した。


図 1.ロールサポート構造(対策前)

 図で指摘した摩耗が生じるのは当たり前で、円すいころ軸受の軸方向の移動をインナーレースを介して左右の円板で止めているからである。インナーレースは固定され、円板は回転しているから、摩耗するのは当たり前である。


図 2.ロールサポート構造(対策後)

 対策後は円すいころ軸受の軸方向の移動を、左右の円板が回転部のアウターレースを介して止めている。固定部のインナレースの軸方向の移動はさらに外側の固定されたヨークがカラーを介して止めている。