圧延ロールは定期的に交換する。図のように、圧延ロールはチョック(軸受ハウジング)で支持されているが、ロール交換時のロールの芯出し作業は、シャーブロック(油の表面張力でテーブル上に張り付いている)で交換前のチョックの位置を決め、交換後にチョックをそこにはめこんで行った。しかし、圧延時の衝撃力が大きく、シャーブロックがずれ、また、作業環境が悪くシャーブロックが腐食してずれるため、ロール交換のたびに芯出しをやり直しする必要があった。そこで、チョックの固定方法をシャーブロックから、テーブルフレームにはめ込む構造へと変更し、その結果、衝撃力の吸収および芯ずれを防止し、ロール交換作業での芯決めを容易にした。


図 チョック固定方法の変更

 一般に繰り返し位置決めする時は、位置決めピンを打ったり、浅いはめこみ溝に挿入したり(インローと呼ぶ)する。しかし、この方法もちょっとインチキである。溝にはめこんで芯を出そうとしても、普通はチョックが溝の右か左に当たるまでずれて、芯はすきまの分だけ、合わなくなる。