海外市場で複写機を設置したが、その後、数年でAC電源不具合が発生した。いずれも特定のコネクタ用の基板パターンが剥離または切れていた。この機種は、コネクタの数を少なくするため、ピン数が多いコネクタを使用していた。長期の使用中に、図のように、樹脂のコネクタが熱と湿度で膨張・収縮を繰り返したので、熱疲労によって金属のパターンの破壊に至った。対策として、コネクタを分割して、ピン数の少ないコネクタを多く用いて応力を分散させた。


図 コネクタの膨張・収縮による基板のパターン剥離

【設計のアドバイス】
 本不具合以降の機種は、電気配線基板のコネクタ数に制限を設けた。

【思考演算の説明】
 部材を分割すると拘束部分の熱応力が小さくなる