非同期式DRAMを実装したメモリパッケージが誤動作した。調査したところ、図1のように、DRAM入力のコマンド信号にスレッシュホールドレベル(Vth:しきい値)を超えるノイズが発生していた。DRAM入力のコマンド信号の立上りとアドレス信号群の切替りのタイミングが同時のため、コマンド信号回路端末がオープンとなっているために生じる反射波ノイズと、アドレス信号群から生じるクロストークノイズとが、Vthレベル付近で重なったことが原因であった。対策として、図2のように、コマンド信号回路をネット形態に変更し、コマンド信号に自身からの反射ノイズが乗らないようした。


図 1.DRAMコマンド信号の調査結果


図 2.パッケージ回路の対策

【設計のアドバイス】
 非同期式DRAMのコマンド信号に対するノイズ、特に信号の遷移タイミングで発生するノイズは誤動作を起こす危険性が高い。本対策のように反射ノイズを防ぐとともに、複数の信号から構成されるアドレス/データの切替えを同じタイミングにしないような設計にする。