油圧配管を新設し、運転開始したが、シリンダの動作が安定しなかった。配管組立て時作動油内に混入したエアが原因であった。末端のシリンダに、図のようなバルブ付きのバイパス管を設けて、配管組立て時、エア抜きが容易にできるようにした。


図 エア抜きバイパス管

 エア抜き時はバルブを「開」位置とし、油圧ポンプを駆動し、作動油を循環させエアを作動油タンクで抜く。運転時は「閉」位置にする。

【設計のアドバイス】
 本例は、バイパス管分岐位置からシリンダのピストンまでの配管(バイパス管から見れば盲腸管)にはいっているエアは油を流していれば、その内に(たとえば1週間もたてば)排出されるだろうという、実は油頼みの受動的な手段である。普通、エアは作動油の圧力が高いと油の中に溶け込んでしまい、大きな問題にはならない。どうしてもいやならば配管内を真空にしてから油をいれるべきであろう。

【思考演算の説明】
 エア抜きのバイパス管を加えてフラッシングする。