図のような真空プロセス側に酸素を使用している真空装置で、オイルミストトラップが破裂した。トラップ部分に詰まりが発生し、オイルミストと酸素の混合ガスが圧縮されてトラップ内に生成し、静電気で着火し爆発したのである。対策として、使用オイルを爆発性のないフッ素系オイルとしたり、トラップ内のフイルタ・エレメントの目詰まりを監視する差圧計を設置したり、排気配管に導電性の材料を使用し、トラップと電気的につなぎアースを取り、静電気の発生を防いだりした。


図 真空ポンプのオイルミストトラップ

【設計のアドバイス】
 トラップが詰まる原因は、真空プロセスで作る膜のカスや化学反応プロセスの時の反応生成物が主因である。また、ロータリポンプなどの容積移送式真空ポンプは、ポンプオイルが排気とともに排出されるため、回収用のトラップを設けるのが一般的であるが、上記のような場合は、トラップを設けず、定期的にオイルを補給することも有効である。