時計において、図(a)のボタンを押すと、スイッチレバーが支点Bを中心に回転し、次にそれがスイッチレバークリックバネを支点Cを中心にして回転させる機構を設計した。ところが時計を落下させると、何かの拍子にボタンが強く押され、スイッチレバーが回りすぎてとびでることが(係合はずれと称する)わかった。その原因は図(b)にあるようにストッパー(度決めと称する)にスイッチレバーが当った時、余裕が50オmしかないことによる。この時、耐久性に開発のエネルギーが集中していたため、慣性が生じるとスイッチレバー自体が変形することに気がつかなかった。対策として、図(c)に示すようにスイッチレバークリックバネにストッパーを新たに作った。


図 スイッチレバーの係合はずれとその対策

【設計のアドバイス】
 1cm上からでも物を落とすと1G程度(10Gだと言う人もいる)の加速度が生じて、思わぬ失敗をする。製品の中で最もやわらかいところが振動して、何回もどこかがたたかれる。極端な例では、工場の中を台車で運ばれただけで傷がつくということもありうる。