冷所では、水分が結露する。加湿空調する工場を設計したが、図に示すように、2階天井面から屋根裏にリークした室内空気が冬の屋根に冷やされて結露し、火災報知器を短絡し誤作動させた。また、オーバーハングしている部分の床でも結露して水がたまった。


図 工場の室内で結露した

 結露を防ぐには冷所を作らねばよく、建物では壁に断熱材をいれることがキーになる。しかし、建物中を同じ湿度に保つことは不可能であるから、梅雨時、湿度が高くなると冷所に錆が発生する。結露を完全に防ぐのは困難である。そこで結露が生じても問題は生じないようにするのが、とりあえず次善のコンセプトである。


図 ハードディスク装置の中で水分が結露した

【設計のアドバイス】
 夏期の温度の高い朝にクーラーをいれると、ハードディスク装置の中の空気も冷やされて、水蒸気が飽和結露し、ディスクとヘッドが吸着して電源をいれても回らなくなる。ハードディスク装置はクリーン度を保つために外部とはフィルタを通して結がっているが、そのフィルタの目が小さいため、湿度が外部と同じになるには時間がかかる。使用時はディスクの回転モータの発熱で空気は熱せられ、湿度は低くなるので問題ない。問題は使用直前である。断熱材やヒータをつければよいがコストがかかる。また露点の低いガスを封入してもよいが、シールにコストがかかる。実際は、水分が蒸発するのを待つという、消極的で低コストの対策をとっているがそれで解決されることが多い。