ミルの伝導軸が折損した。原因を調べたところ、補修工事で切断粉が発生→切断粉の付着→減速機のオイルシール損傷→油漏れ→減速機のスラストベアリング破損→軸過負荷→オーバーロードクラッチが浸油と発熱で固着(正常に作動しない)→ボールジョイント伝導軸折損という因果関係があった。対策として、減速機はケーシングに防塵カバーを設け、オーバーロードクラッチが働くように定期点検を強化した。


図 切断粉発生が伝導軸折損に至った因果関係

【設計のアドバイス】
 ごみが大事故を誘起することもある。たとえば、石油ファンヒータの空気取り入れ口のフィルタがゴミで詰まり、COを発生させて死亡事故が発生した。また、それよりは小さい事故だが、成膜装置の冷却パイプの屈曲部にごみがつまって圧力が高まり、ホースがはずれてクリーンルーム中、水びたしになったことがある。また綿ぼこりが電気回路上にたまって、それが加熱して発火しテレビ自体が燃えたこともある。ごみをバカにしてはならない。


図 ごみが事故を誘起する