構造物の応力状況や破壊原因の調査にはひずみゲージがよく用いられる。特に主ひずみ・主応力の大きさや方向が未知の場合、ロゼット(またはロゼッタ)ゲージを用いる。構造物の表面に生ずる2次元ひずみ状態を求めることができる。ロゼットゲージは、図の(a)のように、単軸ひずみゲージを3つ組み合わせたものである。ここでは、それぞれの単軸ひずみゲージが45°ずつの角度で交差したタイプのロゼットゲージによる多軸ひずみ解析について、述べる。図の(b)の3つの単軸ひずみゲージから得られる結果をεa、εb、εcとすると、主ひずみは、下式(1)、(2)で求められる。また、弾性変形状態を仮定すれば、主応力値は下式(3)、(4)となる。なお、主方向は(5)である。
 ε1=1/2 ・[εa+εc+√2{(εa-εb)^2+(εb-εc)^2}^0.5] ・・・・・(1)
 ε2=1/2 ・[εa+εc-√2{(εa-εb)^2+(εb-εc)^2}^0.5] ・・・・・(2)
 σ1=1/(1-υ2)・(ε1+υε2)・・・・・・・・・・・・・・(3)
 σ2=1/(1-υ2)・(ε2+υε1)・・・・・・・・・・・・・・(4)
 θ=1/2・tan-1{(2εb-εa-εc)/(εa-εc)}・・・・・・・・(5)
 また、最大剪断ひずみ、最大剪断応力は、主方向と45°をなす方向で、それぞれ(6)、(7)である。
 γmax=√2{(εa-εb)^2+(εb-εc)^2}^0.5・・・・・・・・・・・・(6)
 τmax=[E/{2(1+υ)} ] γmax ・・・・・・・・・・・・・・(7)


図 ロゼットゲージおよび記号