厚板構造物の溶接方法として、被膜アーク溶接、ティグ溶接、ミグ溶接、マグ溶接、炭酸ガスアーク溶接、サブマージアーク溶接が一般的である。立向き専用であるがエレクトロスラグ溶接(図1)、エレクトロガス溶接(図2)が、高溶着溶接法として活用されている。表に示す各アーク溶接法の特徴によって、適切な溶接方法を選択する。参考文献:「接合・溶接技術Q&A1000」産業技術サービスセンター、「溶接便覧」溶接学会、「接合・溶接技術」溶接学会編


表 各種アーク溶接法の特徴比較


図 1.エレクトロスラブ溶接法

 連続供給される電極(ワイヤ)と母材を介して、開先内の溶融スラグ浴に電流を流し、その時の電気抵抗発熱を利用し、電極と母材を溶融する方法。I開先で単層溶接のため(これは一種の鋳造である)、変形が少ない。


図 2.エレクトロガス溶接法

 溶融金属のたれ落ちを、水冷銅当て金(あてがね)などで防止しつつ、立向き姿勢でガスシールドアーク溶接する。I開先の単層溶接自体はエレクトロスラグ溶接と同じ手法であるが、高電流アークを用いるためより高能率である。

【設計のアドバイス】
 マグ溶接(Metal Active Gas 溶接)は、ミグ溶接(Metal Inert Gas 溶接)と同じ消耗電極式アーク溶接の一種であるが、ミグではシールドガスに不活性なArガスを用いるが、マグは活性なCO2とArの混合ガスを用いる。ミグに比べガスが安く経済的である。炭酸ガス溶接もマグ溶接の一種として考える場合もある。