溶接面およびその近傍に付着する、塗料、水分、錆、油、ミルスケール、ごみ、およびその他の有害な付着物は、溶接金属にブローホールを発生させたり、ときには割れを生じさせるので、予めワイヤブラシで除去する。また、仮付けビードやガス切断で生ずるスラグはハンマーで除去する。特に注意して異物を取り除く個所を、図に示す。また開先の錆止め(ショットプライマ)の厚さが、20μmを越える場合、高速度の隅肉溶接ではブローホールの欠陥が発生する恐れがあるため、塗膜を除去する必要がある。参考文献:「溶接・接合便覧」溶接学会編、「溶接技術の基準」溶接学会


図 特に注意して異物を取り除く個所(a部)

【設計のアドバイス】
 真空容器や化学薬品容器に用いるステンレス鋼はクリーンに保つ必要があるので、ワイヤブラシで異物を取り除く場合は、同材質のワイヤを使う。