材料の疲労強度は、切欠き(孔、切込み、環状溝、段付など)で、低下する。この現象を切欠き効果という。図1はその破壊例である。図2は、その応力分布で、切欠き効果を表す指標として、応力集中係数Kt(形状係数α)がある。Kt=σ*/σn
 実際的な指標として、疲労強度減少係数Kf(切欠き係数β)があり、実験的に求められる。Kf=σω/σωh  σω:平滑材の疲労強度 σωh:切欠き材の疲労強度
 切欠き材の疲労強度は、1/Kfだけ低下する。図3のように、一般にKf≦Ktである。参考資料:(1)金属材設計便覧(日本材料学会)(2)金属の疲労破壊の防止(養賢堂)


図 1.モータ軸キー溝部の疲労破壊


図 2.切欠き部の応力分布


図 3.炭素鋼、特殊鋼のKt−Kf

【設計のアドバイス】
 切欠き効果を低減する方法として、切欠き底のσn(公称応力という)を低くしたり、切欠き半径を大きくしてKtを小さくしたりする。また材料全体を変更したり、切欠き底部をピーニングなどで圧縮応力付与したりするのも有効である。