金属材料は大気汚染物質で腐食される。表1は、大気汚染物質の発生源とその種類である。各汚染物質の相互作用による腐食例は多いが、とくに、大気中のSO2、H2Sなどの影響が大きい。表2に、SO2およびH2Sに対する各種金属の耐食性を示す。参考資料:腐食防食技術便覧(日刊工業新聞社)


表 1.大気汚染物質の発生源と種類

 内障地域<海岸地域<工業地域の順に腐食が大きくなり、たとえば帯広・高山に対して、輪島・枕崎が2倍、東京・川崎が6倍腐食する。


表 2.SO2・H2Sに対する各種金属の耐食性比較

 製鉄所や火力発電所などのSO2環境下では、ホーロ抵抗器が腐食断線する。また地域発電所や下水処理所などのH2S 環境下では、銅や銀が腐食し、接触抵抗が増加する。


表 3.各種金属の定常腐食速度(10年目)

【設計のアドバイス】
 耐食性に強い金属材料の選定(表2および表3)や、塗装・めっきなどの表面処理で耐食性を向上する。