図のように、リベットで結合されたステンレス鋼に、腐食が発生した。継手部のすき間に水が浸入し、内外部の酸素濃度の違いで、酸素濃淡電池が形成され、すき間部分が腐食された。この現象をすき間腐食という。このように、耐食性の良いステンレス鋼やチタン合金でも、すき間腐食は発生するので、注意が必要である。参考資料:(1)腐食化学と防食技術(コロナ社)


図 継手部に生ずるすき間腐食

 オーステナイト系ステンレス鋼のすきま腐食感受性の順は、塩化物イオンのないときは、SUS302>304≧316>312,それが存在するときは、SUS304>302≧321>316である。

【設計のアドバイス】
 すき間に電解質が存在する以外に、スケールが付着・沈殿して凸部を形成したり、表面にキズができて凹部を形成したりしても、酸素の拡散を妨げて濃度差が生じ、同様の腐食は起こる。このための対策として、すき間に電解質が浸入しないようにシール材のような接合材料を使用したり、表面清浄および保護被膜を採用したり、陰極防食法を利用したりする。