図のように、大気中で繰返し応力を受ける金属材料は、疲労限(それ以下の応力では破断しない応力振幅)が存在する。しかし、水中および腐食環境中では、全面腐食や孔食などで、疲労強度が低下するとともに、疲労限が認められなくなる(腐食疲労と呼ぶ)。参考資料:(1)疲れ強さの設計資料(V).(日本機械学会編)(2)金属材料疲労設計便覧(日本材料科学会編)


図 大気中と腐食環境中のS-N曲線


図 0.44%炭素鋼の平面曲げにおけるS-N曲線

 疲労強度は腐食の強さおよび繰返し応力速度に依存する


図 炭素鋼、低合金鋼の空中、水道水中における疲労強度と引張強さ

 空中の疲労限は高強度材料ほど高くなるが、腐食疲労強度は引張強さにあまり依存しない。

【設計のアドバイス】
 腐食の低減は、インヒビタの添加、乳化油の使用による腐食性環境の制御や電気防食が有効である。しかし、装置の使用中の腐食疲労強度は、実験を実際に行って確認すべきである。