複写機の検査工程で、連続コピーテスト中30〜50コピーで紙詰まりの不具合が発生した。一旦停止して数時間放置すると、復帰する現象もみられた。原因調査すると、熱定着後の紙は、ガイド板に沿って移動するが、コピー紙の熱でABS樹脂のガイド板が90℃まで上昇して、図1のように、熱膨張・変形して、紙の通過通路を塞いだことが原因であった。対策として、図2のように、ガイド板の一方を固定とし、他方をフリーとする段付きネジ+長穴として、熱膨張を逃がす構造に変更した。


図 1.ガイド板の熱膨張による変形


図 2.ガイド板の変形防止構造

【設計のアドバイス】
 通常、高温になる部分に樹脂部品を使うときは、PBTやPETなどの耐熱性材料を選ぶ。ただし、樹脂の熱膨張係数は8×10-5/deg.と大きく、変形に注意する。また、ガイド板の変形対策として、表面と裏面に温度差を生じない櫛歯形状にする方法もある。

【思考演算の説明】
 長穴を加えるだけで、左右方向の拘束が解放される