複写機の軸受としてカーボン入りPPS(ポリ・フェニレン・サルファイド)を使用したところ、割れが発生した。複写機では、静電気を利用するため、軸受材料のPPSにカーボンを混入して、導電性を確保した。しかし、カーボンの分散状態が均一でないと、本例のように材料強度が大幅に低下する。複写機の帯電ローラや転写ローラには、EPDM,NBR,シリコンやポリウレタン系のゴム、転写ベルトにはPOM(ポリアセタール)、PVDF(ポリフッ化ビリニデン)やPC(ポリカーボネート)のような樹脂、軸受にはPOM、PPSなど、いずれも絶縁材料が使われているが、これらに導電性を付与する材料として、カーボン(電子導電)やイオン導電の材料が一般的に用いられる。表に各々の特徴を示す。


表 導電性を付与する材料の特徴

【思考演算の説明】
 カーボンの粉を少し混ぜると導電性が向上する。静電気の発生も防げるが、紙に押し付けると、鉛筆のように字が書ける。つまり、耐発塵性に劣る。