ボルト締結構造の不具合として、ゆるみの他、被締結体のすべりに起因するものがある。例えば図1のように、位置決めを目的とした締結構造の場合、すべりを防ぐためには、接合面の摩擦力の増大が有効である。図2に、摩擦係数の増大策の例を示す。(参考文献:「ねじ締結概論」酒井智次著、養賢堂)


図 1.ボルト締結における滑らない条件


図 2.すべり防止策の例

 接合面の一方に歯状の凹凸を付けて硬化させ、相手の接合面に食い込ませる。この方法では、締結時に凹凸を十分に食い込ませておく必要がある。使用時に食い込みが進行すると、締結軸力の低下となる。

【設計のアドバイス】
 すべり対策として、締結力の増大もあるが、外力が大きいとボルト破損の恐れがある。