ダブルナットは、ゆるみ防止によく使われる。ダブルナットの締付け方法は、図のように下ナットを規定トルクT1で締付けた後、上ナットを規定トルクT2で締付け、最後に上ナットを固定して、下ナットをT3で逆回転して締付ける。ここで、T1=T2=Tの場合、T3=約1.5Tとなる。(参考文献:「ねじ締結概論」酒井智次著、養賢堂)


図 ダブルナットの締付け手順

 上下ナットの締付けトルクがT1=T2=Tの場合、下ナットの逆回転締付けトルクT3を求める。ダブルナットでない場合の一般的な座面摩擦力とネジ面摩擦力は概ね1:1(正確にはねじピッチなどの締結諸元により異なり、締結計算が必要)である。したがって、ねじ面摩擦力に対して0.5T、座面摩擦力に対して0.5Tの締付けトルクが必要である。ダブルナットの場合、下ナットの逆回転締付けトルクは、ねじ面摩擦力に加えて、下ナットの上面と下面の座面摩擦力が必要となるので、規定締付けトルクTの約1.5倍となる。