ろう付けは、精密な部品の接合が可能で、大量処理でき、材料の制限が少ない、などの利点があり、自動車部品、航空機部品、家庭用電器部品などに多く使われている。溶接と異なり、母材を溶かさないのが特徴である。表1に、溶融溶接と比べた時の、ろう付けの特徴と適用例を示す。ろう材は接合する金属によって選ぶが、その特徴とろう材の組成を表2に示す。また、ろう付け方法も表3のように、各種の方法がある。継手形状は、ろう付けしやすく検査が簡単な形状として、重ね継手が多く使われる。突合せ継手も使われるが、高強度が必要なところには適しない。図1に、代表的な継手形状を示す。なお、異種金属の接合には、図2のような、トランシジョン・ジョイント(異材接合継手)を用いる。(参考文献:「接合・溶接技術Q&A1000」産業技術サービスセンター、「新版 接合技術便覧」産業技術サービスセンター)
【設計のアドバイス】
トランジション・ジョイントの例として、ステンレス鋼とアルミニウムをHIP法(高温高圧で拡散接合による方法)で作られたジョイントがあけられ、これは、ステンレス鋼とアルミニウムの異種金属の接合に使われる。その他、銅/ステンレス鋼、チタン/ステンレス鋼、チタン/銅、チタン/アルミニウムなどのトランジション・ジョイントがある。