コンピュータのメモリ装置において、メモリ読み出し時に誤動作が発生した。これは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)読み出しデータの同時切替え(TTL信号、2000本)によって、制御信号(ECL)に数百mVのノイズが発生したためである。図はノイズの発生状況を示す。コンピュータの各回路間を接続するインターフェイスとして、TTL(Transistor Transistor Logic)やECL(Emitter Coupled Logic)等があるが、これらのインターフェイスを混在して用いると、信号の電圧レベルがそれぞれ異なるため、同時に多数の信号が切り替えると、多大な電流が流れる。その結果グランド電位が変動し、各出力信号に図に示すようなノイズが発生し、最後に誤動作となる。


図 ノイズの発生状況

【設計のアドバイス】
 複数の異なるインターフェイスを持つ部品群を、同一のプリント基板に実装する場合、まず本例のようなGNDから来るノイズに注意する。同時切替え数が多いプリント基板では、層構成、リターン電流パスを考慮し、ECL層とTTL層を分離する。なお、TTLはマルチエミッタトランジスタを入力とした論理回路である。

【思考演算の説明】
 作用が同時に生じると過負荷になる。