油圧系の回路を持つ車体の振動・騒音が大きかった。この車では、油圧系の脈動による振動・騒音を低減するために、油圧配管に1/4波長管としてゴムホースが装着されている。原因として、ゴムホースの先端部が直接車体に取付けられていたため、先端部の脈動が車体に伝達したことがあげられた。対策として、図に示すように、先端部を防振ゴムを介して車体に取付けた。


図 1/4波長管による油圧系脈動の低減

 図のように、1/4波長管内の脈動圧の分布は、先端部分で最大となる。したがって、この先端部を車体に固定する場合は、防振ゴムを介して取付ける必要がある。なお、1/4波長管とは、つぎの性質を利用したものである。油圧配管系から1/4波長管へ入った脈動は端部で反射し、再び油圧配管系へ戻る。そのとき、1/4波長管を脈動波長の1/4の長さに設定しておくと、入射波と反射波は逆位相となり、干渉を起こし脈動を低減する。