厚板で溶接構造物を組む場合、一般的に、板厚6mm未満では開先(かいさき)無しの突き合わせ溶接でもよいが、溶接の品質確保のために6mm以上では開先継手にすることが望ましい(図1)。また、隅肉溶接では溶接脚長8mmまでは1層盛りで行い、8mm以上から2層以上に盛る。サブ組みした溶接物を総組みして本溶接する場合、サブ組同士の継ぎ部の隙間管理が困難なことがある。隙間(図2のルート間隔)が大きい部位を溶接すると、表面的には設計通りに接合されているように見えても、内部にブローホールやアンダーカットなどの欠陥が発生しやすい。このような箇所で溶け込み品質を確保するため、バックアッププレートを用いて、溶接の吹き抜けや溶け込み不良を防止することが望ましい(図2)。また大きな力が作用し高応力が発生する箇所には、断続仮付け溶接ではなく、バックアッププレートを用いた連続溶接にする方がよい(図3)。これは、断続仮付け溶接部に応力集中が発生することを防ぐためである。