溶接構造物の疲労亀裂は、アーク溶接端から生じることが多い。疲労強度を大きくするには、構造部材の形状を変えて溶接端応力を軽減すればよい。


図 構造部材形状を変えて溶接端応力を軽減する

 溶接端は、溶接ビート形状に依存して大きな応力集中を生じ、さらに溶け込み不良があれば疲労強度が低下する。そのうえ、溶接された部材に曲げ応力が作用する場合には、溶接端に生じる応力が必然的に高くなる。そこで、溶接される部材の形状を工夫して変化させ、溶接端の応力の軽減を図ることが疲労強度向上に有効である。たとえば、(a)溶接端近傍の剛性を下げて応力分担を減らしたり、(b)断面係数を除々に変化させる。部材の重量が10%程度増えるが、溶接端のピーク応力を半減させることも可能である。