経過

1976年

タイプ3ドア掛け金の設計デザインが導入される。

1977年

GM社製GMC Truck, Cadillac, Buick, Oldsmobile, Pontiac, Chevroletの車にタイプ3掛け金が使用され始める。最終的には1億2千300万個の欠陥のあるタイプ3掛け金が使用された。

〜1982年

  GM社の技術資料において、タイプ3掛け金の安全性に問題があることが指摘され、衝突時の衝撃に耐えられるように 改良が必要であることが提言されていた。1982年の調査結果では、タイプ3のドア掛け金を装備している自動車に関わ る事故のうち、ドアが開いてしまったという事例は毎年1万8000件にも上っていることが判明した。タイプ3ドア掛け 金の問題によりドアが開く現象をGM社は"Fork Bolt-detent Bypass"と呼んでいた。

1987年

乗降ドアにシートベルト装置を搭載したPassive Restraintの導入を開始。

1988年

タイプ3ドア掛け金の改良型の使用を開始する。

1989年

GM社の幹部はタイプ3ドア掛け金をリコールし、改良品と交換するかどうかを検討していが、費用がかかりすぎること を理由にリコールを行わなかった。GM社は代わりに、"サイレントリコール"を行ない、ディーラーに対して、車の所有 者にその欠陥を知らせることなく、改良を加えたタイプ3ドア掛け金と交換させた。
GM社は2億6千万円(130万ドル)をかけて、欠陥のあったタイプ3ドア掛け金を廃棄処分した。

1991年

アラバマ州で事故が起こり、GM社に対して裁判が行われる。

〜1994年

GM社は1994年以前に起こったタイプ3ドア掛け金の欠陥による事故全てを和解で決着をつけていた。和解で処理した 事故については十分な調査をすることなく、またGM社がこの欠陥についていて以前から知っていたことを明らかにす るような書類や証拠を隠そうとしていた。あるケースではGM社に対抗する専門家の証言なしで和解させた。

このころまでには、GM社のこの問題に対する態度が明らかになりつつあった。
GM社は、新車として発売後8年以上経過した車については政府による強制リコールをかけることができないという法律 が存在することを知っていた。GM社がタイプ3ドア掛け金を装備した新車を最後に販売したのは1986年9月ごろであった。 The Wall Street Journal によるインタビューでGM社は、販売後8年後に事実が発覚したのは、単に偶然であると 述べている。

〜1996年

1996年後半までに、タイプ3掛け金の欠陥による事故に対するGM社への訴訟件数は55件にのぼり、和解金として総額 8000億円(6千7百万ドル)を支払った。
またアラバマ州での裁判結果により、罰金120億円(1億ドル)を支払うことになった。