経過 |
コロンビア号はAuke Bsy Termianlを9時15分に出航、 時速約36km(19.4ノット)で航行しており、主エンジン2基は異常なく稼動していた。 コロンビア号には補助発電機が3台あった。そのうち2台は並列運転されており、 残りの1台は使用されていなかった。事故発生の経過は下記のとおりである。 11時30分、エンジン制御室の監視員が交代した。 交代した後、エンジン制御室では、監視員、監視員見習い、給油係の3名が監視にあたっていた。 3人はそれぞれ必要な点検を行い、監視員見習いと給油係の2人は先に制御室に戻っていた。 このとき特に異常は発見されなかった。 12時00分、監視員見習いと給油係は何かが破裂するような音を聞き、 主配電盤の上部右側からアークが発生し、火花が散っているのを発見した。 その直後にその手前の配電盤からもアークと火花が発生し、かなりの破裂音が聞こえ、 エンジン制御室はまたたく間に黒い煙で覆われた。監視員見習いと給油係は近くのドアからエンジン室に逃げた。 監視員見習いは給油係に、火災が発生したことを船橋(ブリッジ)に知らせるように告げ、 監視員見習いは監視員を探しに行った。 12時07分、左エンジンの過回転警報が作動し、過回転防止装置への電力の供給が停止したことを報知した。 このとき機関系統は主発電機からの電力を失い、非常用発電機が稼動し始めた。 同じころ、船橋の一等航海士と船長が火災の発生を知る。 12時08分、船長が火災の発生したことを乗客、乗組員に伝え、消防隊を火災発生場所に派遣した。 12時16分、船長は付近を航行していたタク号に援助を要請した。 この通信を湾岸警備隊の警備艇Anacapa号が傍受していたため、救援に向かう。 12時30分、 Anacapa号、現場に到着する。4名の湾岸警備隊員を消防隊として小型ボートでコロンビア号に向かわせる。 12時45分、 国家運輸安全委員会(NTSB)が火災発生の連絡を受ける。 12時57分、湾岸警備隊の消防隊がコロンビア号に乗船。コロンビア号の消防隊と合流 13時23分、湾岸警備隊の消防隊がエンジン制御室に入る。 13時58分、消火の際、安全確保のために、エンジン制御室への電力をすべて遮断する必要があり、 非常用発電機を停止させた。このときコロンビア号は電力と推進力を失った。 14時00分、船長の要請を受けたタク号がコロンビア号に接近。コロンビア号の乗客をタク号に移動させる。 14時25分、鎮火 16時30分、自力で航行できないコロンビア号を曳航するため、タグボートBanner号が現場に到着する。 16時40分、コロンビア号の乗客を乗せ、タク号はSitkaへ向かう。 20時30分、タク号、Sitkaに到着する。
翌日8時45分、コロンビア号、Sitkaに到着する。
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