【動機】
単純に思える強度計算も、モデルの作成を間違えるととんでもない災害を引き起こすことがある。 利潤追求の現代ビジネスの中で、ある者の損失回避のため、矛盾しているとわかっていながら 無理な工夫をしてそのときの検討、知識が足りなくて人が死んだ。 現代に生きる工学者に警鐘を鳴らす事例を紹介したかった。 |
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【経過】 施工の現場で、最後の部品となったアンテナ部は、側面にバスケットがついており、形状が他部品と違っていた。 この突出部が吊り上げ時にケーブルに引っかかることが判明。 施工業者はマイクロ波バスケット部を一時的に取り外し、 アンテナ本体を取り付けた後でマイクロ波バスケット部を戻すことを提案するが、設計企業は、 バスケット部を外すと保証が無効になると主張。 施工業者はやむなく臨時の取手をつけて吊り上げ作業を開始するが、臨時の取手が損壊しテレビ塔は崩壊した。 そのとき、吊り上げているアンテナには2人、 組み上げ中のタワー側にも2人の作業員がいたが、4人全員が転落、地上にいた1人を巻き込んで、 合計5人が死亡した。 |
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【対処】 最後に吊り上げる部品が耳のようにバスケット状の部品がついていたため、それがひっかかってうまく吊り上げられず、 無理な工夫をして惨事が起きた。死亡した作業員は300mの高さから転落。即死であったため、 周りは何もできずに茫然自失。情報源として最後に揚げた ENGINEERING ETHICS には事故の様子を捉えた貴重な写真やビデオも紹介されているので、見ると良い。 |
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【背景】 アンテナの設計会社では以前に同じ理由でバスケット部の取り外しを認め、施工業者が再び固定したときに 間違って取り付けたことがあった。この間違いがアンテナの設計会社の責任とされ、修正のため、 250万ドルの損失を出したことがあった。 |
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【後日談】 ボルトの製造企業はこの事故の1年前に起きた別の事故で、ボルトの性能が問われていた。 今回の事故で起訴されたが、法廷外で和解。 |
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【知識化】 金銭的責任回避ばかりに気を取られると、もっと大事な事故を未然に防ぐということを忘れてしまう。 責任を他社(者)に押し付けることに成功してもその相手が事故を起こせば、責任を回避したとはいえない。 機械工学を学ぶことは、きちんと意味があり、予定と違った工程や手順を取るときはきちんと専門家の 意見を聞かなければ成らない。 |
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【情報源】 http://ethics.tamu.edu/ethics/tvtower/tv3.htm |